僕がVEGANになって2年がたちます。
VEGANになるまでは卵料理が大好きでした。
親子丼やオムライスが特に好きで、頻繁に作っていました。
オムライスなんて相当練習してましたね
ふわふわなオムレツを作ってご飯の上でパカッと割れるやつ
今はできないだろうけどめっちゃ上手かったですよ(笑)
ということで今回は卵にまつわるVEGANのお話をしていきます。
ちなみに鶏肉のお話を以前しているので合わせて読んでみてください(^^♪
VEGANが卵を食べない理由
なぜVEGANは卵を食べないのか?理由は人によって違ってきますが、主にこの4つがあげられます。 ・親鳥の扱いがひどい・ひなの扱いがひどい
・劣悪な飼育環境
・卵がもたらす健康被害こんな感じですね。僕はパティシエということもあって、毎日卵を使って何かしらのお菓子を作っていました。
そのため、人とは少し違う観点から卵を食べなくなった経緯があります。
まずはその話からいきましょうか。
僕が卵を食べなくなったきっかけ
結論から言うと、僕が誇りにしているパティシエという仕事が、エグいくらい大量の動物を苦しめ、大量の命を奪ったうえで成り立っていることが許せなかったからです。僕は数年前まで普通のケーキ屋さんで普通のパティシエをしていました。毎日大量の卵を使って、大量にケーキを作って、大量に販売する、ごく普通のパティシエです。これはあるクリスマスの準備期間のこと。部屋で言うと5畳くらいの広さのチャンバー(業務用冷蔵庫)にミチミチに詰め込まれた卵の山。この卵の山をたった1日で使い切ってしまいました。
えぇ、、あれだけの量をたった1日で、、、という速さで卵が無くなっていくので本当に驚きです。
そしてさらに驚くべきことに、次の日には同じ量の卵が業者から納品されるのです。
すべてのケーキ屋さんがこうなるわけではないですが、クリスマス期間中は卵の消費量が桁違いに増えることは間違いありません。
使っても使っても無限にあふれてくる卵たち、、、
いったいどこからこんな量の卵が出てくるんだ?といつからか不思議に思うようになりました。
いろいろ調べていると、産卵から鶏肉に加工するまでの工程すべてを自社工場で行っているYouTube動画が出てきました。(今は見つかりません、、)
とてもきれいな工場で、もの凄い量の卵を機械で温めて羽化させ、オスメスを分け、育ったらスラッターという機械に吊るして鶏肉へと加工するすべての工程を収めた動画です。
人生で初めて見た光景だったので、すごい衝撃を受けた動画でした。
「すげぇ!こんなに機械化されてるんだ!」という感動すらありました。
この動画は海外のものだったので日本がどんな感じになっているのかも気になり検索をしてみると一転。動画で見たものとはまるで違う光景でした。
まず非常に汚く不衛生、オスのひよこをゴミ袋にポイポイ捨てる、鶏の見た目は不健康そのもの。
「あれ?俺が毎日使ってる卵って、、、これ?」
「俺が誇りに思っていたパティシエってこんな苦しみのうえに成り立ってたの?」
かなり酷い映像の数々で強いショックを受けてしまいました。
これがきっかけで僕は卵を食べる機会が徐々に減っていき、最終的には全く食べなくなってしまいました。
なんなら普通のパティシエも辞めちゃいましたね。
僕が卵を食べなくなったきっかけはザッとこんな感じです。
次はヴィーガンが卵を食べない理由を話していきますね。
ひよこの扱いが酷い
卵を生産するためには、卵を産んでくれる鶏が必要です。
そのため、販売する用の卵とは別で、孵化させる卵も作っていきます。
ここで生まれて来たひよこ達は残念ながら生き地獄の始まりです。
オスのひよこはゴミ
孵化させる卵はすべて一か所にまとめられ機械によって温められます。
孵化したら、ひよこ鑑定士によってオスとメスに分けられます。
ベルトコンベアから流れてくる沢山のひよこは可愛いのだけど、鑑定士に拾い上げられてはポイポイ投げなれます。
メスは食肉用だったり卵を産むので会社の利益を生み出す大切な存在ですが、オスは肉が硬く食用には不向きなうえ卵を産みません。会社にとっては生産性がない、利益にならない、
つまりゴミという認識のようです。
オスは卵の殻と一緒に生きたままゴミ袋に詰め込まれたり、
大型のシュレッダーにかけられ、殺処分されます。
生まれて間もなく激しい苦しみを味わった後に短い一生を終えます。
なんてひどい所業、、、ということで海外ではオスひよこの大量殺処分を禁止にする動きが出ています。日本ではまだその気配はありませんが、声を上げることはできます。
↓オスひよこの苦しみの連鎖を止められるかもしれません。
https://www.hopeforanimals.org/male-chicks/
残ったメスのひよこ
残ったメスのひよこはこれから地獄が始まります。
まずくちばしを切断します。鶏のくちばしには神経通ってるので激痛です。
あまりの痛さに餌を食べられず餓死してしまうひよこもいるんだとか。。。
くちばしを切断する理由は1つ。
仲間をつついて怪我をさせないためです。
今後の飼育環境はあまりにも辛く、強いストレスを抱えてしまいます。
あまりのストレスに仲間同士でつつき合いを始めてしまい、怪我をしてしまうようです。怪我をすればバイキンが侵入してしまい、病気になり死んでしまったりするので、この予防策ですね。
ちなみに切断する刃は高温で、切断面を焼いて止血もしています。
にわとりのくちばしには神経だけでなく血管も通っているので、焼かないと出血で死んでしまいます。
そんなくちばしを焼き切るとか発想がぶっ飛んでますね。しかも生まれて間もないひよこのくちばしを。。。
劣悪な飼育環境
採卵場では主に2種類の飼育環境を採用しています。
1つはバタリーケージ飼い
もう1つは平飼い
どちらもメリットデメリットがあるのですが、バタリーケージ飼いを採用している養鶏場が多いようです。
鶏のためにバタリーケージを採用していると謳う養鶏場がありますが、僕はただの綺麗事だと思っています。現実はコストが安く、手間がかからないからという完全自己都合でバタリーケージを採用しているんじゃないかと。
バタリーケージは鉄製のケージで、中には土や草は無く、鶏がぎゅうぎゅうに詰め込まれるパターンが多いです。酷いところでは鶏が首を伸ばすことすらできないほど小さいサイズのケージで多頭飼育しているところもあるんだとか、、、
また、常に卵を生みやすい環境を作るために、太陽の光を完全に遮断していることもあります。24時間365日太陽の光を浴びることはありません。
(鳥インフルエンザで殺処分するニュース動画で窓が無く、縦長の建物が映ることがあります。あれがそうです。)
バタリーケージは上に何段も重ねられるのが一般的です。
下段にいる鶏たちは上段の鶏たちの糞尿まみれで衛生的にも最悪な環境です。
こんなケージの中では鶏は本来の姿で生活することができません。
砂浴び、穴掘り、地面をつつく、走ったりジャンプしたりなどは一切できません。
できるのは水と餌を口にすること。苦痛に耐えながら卵を生み続けることくらい、、、
ストレスのあまり狭い檻のなかで異常行動をとる鶏もいるんだそうです。
最近では、世間の目が気になったかバタリーケージを辞めて平飼いに移行する養鶏場も出てきています。鶏が少しでも幸せでいられるようにと、お金をかけて環境を整えている人もいます。
一概に平飼いは良い!とは言えないのですが、卵を食べ続けるのならば商品は生産者も見てみてほしいですね^^
鶏が卵を産み続ける理由
鶏は卵をいくつか産み、温めることで卵を産まなくなります。
鶏舎は産んだ卵が自動的に檻の外に出てくように作られているため
鶏は一向に卵を温められません。
そのため、鶏はまた次の卵を産み続けます。
ちなみに鶏は1個の卵を産むのに25時間ほどかかるそうです。
1回の出産にかなりの体力を使うのですが
人間が卵を奪っていくうえに強制的に産ませるため
年間300個以上も産まされるのです。
強制換羽
産卵期が終わると卵を作るのを辞め、羽の生え変わりが始まります。
養鶏場ではこれを強制的に行わせます。
短期間の間エサを与えず、照明をずっと切ります。
そうすることで換羽を誘導し産卵後期の産卵率や卵の質を向上改善させているのです。
この強制換羽で受けたストレスが原因で全体の5~10%が死んでしまうんだとか
卵を産み終えたら
1~2年ほどの産卵期を終え、卵を産まなくなった鶏は廃鶏と言われます。
余生を生かしてあげるわけではなく、廃鶏処理業者に買い取ってもらっています。
廃鶏は市場価値が低く1羽あたり数十円の費用を払う必要があります。
肉食用に育てられたブロイラーという品種の鶏と違い廃鶏は肉質が固いため、冷凍やミンチなどにして販売されることが多いそうです。
とはいっても、廃鶏の精肉を一般消費者が手にすることは今のところ少ないようです。
廃鶏肉の価値を上げるために、廃鶏肉のレシピ本を出版していたり、ペットフードに活用したりするなどの工夫が進んでいます。
卵がもたらす健康被害
卵は完全栄養食品と言われる通り、毎日食べることで健康に良い影響を与えてくれます。
昔は
「コレステロールが多いから1日1個まで!」
と言われていたのが今では上限はないとまで言われています。
もちろん食べ過ぎると脳梗塞だったり心筋梗塞などの病気やがんのリスクが大きくなってしまうので食べすぎにはやはり注意が必要です。
鶏が食べている物
重要なのはそこではなく、
鶏が食べてる餌が原因で卵が毒化してしまうということです。
養鶏場で与えているエサには抗生物質や成長ホルモンなどを混ぜてあることがあります。
この餌にプラスで上記のような劣悪な飼育環境で育てられ、とても強いストレスにさらされてしまったんじゃ「危険性が無い!」と言われても信じられません。
不健康な鶏が健康状態のいい卵を産めるとはとても思えません。
安い卵
卵って地味に高くなってきていますよね。
「1パック10個入が本日限り100円!」なんてセールやってたら迷わず買ってました。
同じ気持ちの方もいるはず。
実は安い卵は劣悪な環境で、抗生物質まみれなエサを与えられている可能性が高いです。
安さにはちゃんと理由があるんですよ、、、でなきゃ安くできないもん。
ちょっと値段が高いビタミン強化卵なんかもそうです。餌にビタミン剤のようなサプリメントを混ぜて与えています。
卵を買うときはどうしても高くなってはしまいますが、良心的な養鶏を営んでいるところだったり、親鶏が健康で自然に近いかたちで産卵しているかどうかの方が大事なのではないかと思います。
終わりに
今まで話してきた悲惨な現状が当たり前になっているのは、現在では日本くらいなんだそうです。
海外では狭い檻での飼育は禁止にして、基本的には放牧を採用、鶏が鶏らしくいられるような環境を
作るように努めています。
今は劣悪な環境でも、これからこのような環境に改善していくと宣言している国もあります。
残念ながら日本はまだまだ遅れています。
本当に残念です。
普通のパティシエをやっていた僕は、最初は「へぇーそうなんだ」くらいにしか思わなかったのですが「だんだんとこれってなんか、、、おかしい気がする」と思い始めました。
ほんとうならひよこになっていたはずの卵を
大量に割って、泡立てて、スポンジケーキやプリンにして、失敗したり売れ残ったりしたら躊躇なくすべて捨てる。
すごくモヤモヤした気持ちになりました。
何度も何度も考えて悩んでいた結果、新しい気づきが得られました。
卵を使い続けるということは、このひどい現状を許してしまっているという事。間接的に鶏たちに地獄を味合わせてしまっているという事です。
この気づきから僕は、卵を食べなくなりました。
この記事を読んでくださった方
もし上記で紹介したVEGANの考え方や価値観など、一つでも当てはまるものがあったら
卵だけでも食べる量を減らしてみたり週に1日だけVEGANを取り入れてみるなど、自分に合ったペースでも大丈夫です。
VEGANについて考えていただけたら幸いです。
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